猫の肥満について・・・
      人間でもそうですが、猫にとっても肥満は万病の元と言えると思います。
      猫が肥満になると、運動能力が低下、その為の運動不足、肥満傾向が進む。と悪循環に陥ります。
      肥満が進むと疲れやすくなり、心臓や内臓、呼吸に負担がかかりやすく、また、糖尿病や肝臓の病気にも
      かかりやすくなってしまいます。この他に、体重が増えたことで関節や靭帯にも負担がかかり関節炎などを
      起こすこもあります。肥満の原因は、高カロリーの食事、栄養のバランス、運動不足が原因です。
      本来、動物は必要なカロリーしか摂らないのですが、野生の本能を失うことでバランス感覚を
      失うこともあります。避妊、去勢手術などによるホルモンのバランスが影響することもありますので、
      術後、体重が増える傾向であれば、正しいダイエットも考える必要があると思われます。

<体型チェック>

痩せすぎタイプ 体を触ると骨ばっていて、
猫を上から見ると、腹部がへこんでいる。
理想体型タイプ 無駄な脂肪がなく、肩から腰にかけて
均等に筋肉が付いている。
肥満タイプ 腹部のラインが下にたれている。
猫を上から見ると、腹部が膨らみ腰には出っ張りが見られる。

<1日のエネルギー必要量の目安>

年齢 kcal 食事回数
乳児期・10週 250kcal 3〜4回程度
幼児期・20週 130kcal 2〜3回程度
幼児期・30週 100kcal 2〜3回程度
幼児期・40週 80kcal 2回程度
運動量の少ない成猫 70kcal 1〜2回程度
運動量の多い成猫 80kcal 2回程度
妊娠期の成猫 100kcal 2〜3回程度
授乳期の成猫 仔猫の数による 4回程度
(1986年 米NRC)
                     
<カロリー計算>
標準体重の健康な大人の猫の場合
(体重×30+70)×1,2

太り気味が気になる大人の猫の場合
(体重×30+70)×1,0

*体重とは、理想体型の時の重さです。
肥満気味なら今の体重を1.15で割った重さを目標体重として
太り過ぎなら今の体重を1.30で割った重さを目標体重として計算するとよいと思われます。
この計算式は体重2kg以上の猫にあてはまります。
(日本ヒルズ・コルゲートによる)

    糖尿病
      糖尿病には、肥満や生活習慣に関係なく先天的にインシュリンが出ない
      非インシュリン依存型糖尿病というのがありますが、これが以外であれば
      糖尿病を予防する最も重要なことは肥満を防止することです。
      可愛いからといって、食事時、食べものをねだられ味が濃いもの、脂っぽいもの、甘いものを
      与えてしまうような事は糖尿病になる危険性が高くなります。

      <病気について>
        糖尿病の特徴は、先ず多飲多尿・多食になりますが、
        よく食べているので、気づかない時もあり、病気が進行して食べていても痩せているといった症状が
        出て気が付く事もあるようです。糖尿病は、食べものから摂取した糖をエネルギーに変える時に
        必要なインシュリンというホルモンが働かなくなったり、量が減ったり、全く出なくなってしまう病気です。
        糖が血液中に出される為、体が糖を有効利用できなくなることで、少し動いても疲れたり、
        痩せてきたりします。また、脱水症状を起こし衰弱し黄疸が出ることもありますし、
        感染症も起こしやすくなります。糖尿病は、全身の血管が侵されるので全身の臓器や器官に
        合併症が起こりますので、
        早期発見、早期治療が重要となります。早期であれば、インシュリンの注射も必要なく、
        食事療法と生活習慣の改善、肥満の解消で状態がよくなる場合が多いです。


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